「目指す姿」を引き出し、行動指針を可視化する
株式会社プレスマンに入社した新卒社員が、自ら変化と挑戦を重ねていけるようなモチベーションを発見するため、グラグリッドのファシリテーションと視覚化の力を活用し、会社で働く一年後の自分の「目指す姿」と行動指針を描く新卒研修プログラムの実施支援を行いました。
課題
過去に実施した新人研修は受け身がちな内容となっていたため、新人と共に作り上げる研修を模索。新人のパーソナルな想いを引き出しつつ、会社のミッション・ビジョンと連携した目標設定を行える研修を作りたいとご相談を受けました。
共創と取り組み
新卒社員の行動指針を作るために、下記を実施しました。
・会社のミッション・ビジョンの理解、自己理解、社員同士の相互理解の「3つの理解」を行うワークショップのプログラム設計、実施
・「3つの理解」を土台に、新卒社員が自分の「目指す姿」を見つける、視覚的対話セッションを実施
価値化したこと
・新卒が上司や先輩の前で、会社で働く一年後の自分の「目指す姿」と、そのための自身の行動指針を宣言。新卒社員と上長の相互理解が深まった。
・フィードバックを含めたビジュアルサマリーを社内に共有。新卒と先輩社員との相互理解が深まった。
課題&実現したいこと
新卒社員が会社のミッション・ビジョンを自分ごととして捉え、目指す姿を考えるには?
株式会社プレスマンは「変わる世界に追いつくだけでなく、自ら世界を変える組織になる」を使命として、これまでDTP&印刷、ウェブ制作、モバイルコンテン配信、ウェブシステム開発など新しい領域への挑戦を重ねて、変化に対応されてきました。
そんな株式会社プレスマンの人事のご担当者様から、新卒社員研修のご相談をいただきました。
「過去にも新人研修を行ったことがあるが受け身に近い内容だったため、より能動的なアウトプットがある研修を作りたい。」
「新卒社員のモチベーションや想いを確かに感じているが、なかなか言語化して引き出せない。」
会社のミッション・ビジョンを、自分ごととして捉え、自らの目指す姿をイメージしてもらうための、よりよい進め方と伝え方ができる研修のアプローチが見えない状況でした。
そこで、グラグリッドのファシリテーションと視覚化の力を活用し、新卒社員が会社で働く一年後の自分の「目指す姿」を明確にすることで、社員が自ら変化と挑戦を重ねていける行動指針を策定する新卒研修のご提案をしました。
共創と取り組み
新卒社員の行動指針づくりを1.会社のミッション・ビジョンの理解2.自己理解3.社員同士の相互理解の「3つの理解」の見える化でサポート
今回の研修では、「3つの理解」を促すことで、新卒社員が会社のミッション・ビジョンを自分ごととして捉えた意識と行動指針を持てることを目的としました。
【1】「会社のミッション・ビジョンの理解」を共有知化する、視覚的支援の実施
新卒社員が会社で働く一年後の自分の「目指す姿」をイメージするには、まず会社がどうありたいかを知る必要があります。
そこで、最初に会社のミッション・ビジョンについて社長から話を聞きました。
ここで新卒社員が会社のミッション・ビジョンの話を聞き、自分の「目指す姿」をイメージするためには、話の意味を捉え、概念的に深く理解することが求められます。
そのため社長の話の解釈のインプットとして、話の流れを捉えたものに加え、同じ話を構造的に捉えたものも制作。
グラフィックレコーディング、グラフィックモデリングの2種類の視覚化を行い、解釈の視点を広げる支援をしました。
【2】「自己理解」を促す新卒者の内面を丁寧に解き明かすグラフィックセッション
会社のミッション・ビジョンを自分ごととして理解したあとは、「自分は会社で何がしたいか」を考えます。
「自分が会社で何がしたいか」は、自分が何を大切にしているのか、自らの価値観に大きく紐づいています。
ですが、自分だけで延々と思考を重ねても、なかなか自身の価値観には気づけません。
そこで問いかけやイメージ化、例えや要約をして自分の内面を紐解ける、グラグリッドが独自で開発した内省ツールの「えがっきー」を使用したワークを行いました。
個人ワークで見つかった自身が大切にしたい価値観が見つかったあとは、いよいよ会社で働く一年後の自分の「目指す姿」について、イメージを明確にしていきます。
「じっくり思考するタイプの新卒社員の、言語化されていない想いを明確化し、周りに伝わる形にしたい。」
新卒社員の個性に寄り添う姿勢を大切にしているプレスマンのご担当者様と一緒にプログラムを検討した結果、ビジュアルファシリテーターが新卒社員の話の内容をその場でイメージ化することで引き出して、問いかけて整理しながら明確にしていく一対一のグラフィックセッションを行うことが決まりました。
その結果、約20分のグラフィックセッションで「一年後の目指す姿」を明確にすることができ、その後、具体的な行動指針を策定できました。
【3】「社員同士の相互理解」をサポートするグラフィックサマリー
会社で働く一年後の自分の「目指す姿」と、そのための行動指針が完成したら、最後は宣言です。
社長や直属の上司の前で、制作したグラフィックを見せながら発表していきます。
「そのチャレンジは会社にとっても非常に重要。期待しています。」
「二人のヒントになることを伝えます!一緒に頑張りましょう。」
励ましや応援、アドバイスを受けることで、自分の作った行動指針へのコミットメントがより高まりました。
また、今回の研修には、研修を終えたあとも内容を共有して新卒社員と先輩社員の相互理解を深めたいというニーズがありました。
そこで、新卒社員が策定した「一年後の目指す姿」と行動指針を、研修後それぞれのチームメンバーにも共有しやすくするために、端的に分かりやすく表現することが必要です。
そこで、新入社員ごとに各ステップのアウトプットや、社長や上長からのフィードバックを1枚にまとめた、グラフィックサマリーを制作しました。
この1枚が、新卒社員と先輩社員の相互理解を行う際の、話の起点になっていきます。
価値化したこと
新卒が上司や先輩の前で、自身の「会社のなかで、自分が本当にやりたいこと」を宣言して共有したことで、相互理解が深める
今回の研修では、3つの理解を通して新卒社員が「会社のなかで、自分が本当にやりたいこと」を明確化し、それを実現するための行動指針の策定を行いました。
また、それを上司や先輩の前で共有したことで、新卒社員がどのような会社のミッション・ビジョンに共感し、一年後の目指す姿やそれに向かっての行動指針を知ることができました。
このプログラムで重要だったことは、新卒社員が「会社が新卒社員にやってほしいと考えていること」をおもんばかって目標や行動指針を作るのではなく、自らの中にある心から持っている思考に寄り添い、引き出すこと。
そこにグラグリッドが持つファシリテーションの知見を活かしたプログラム設計や場の進行で寄り添い、ビジュアルファシリテーターが視覚化で引き出すことで、新卒社員が持っている「会社のなかで、自分が本当にやりたいこと」を明確にすることができました。
今回の研修の模様をプレスマン様がレポートしていただいております。
こちらもご覧ください。
新人エンジニアが挑むグラレコ研修1
新人エンジニアが挑むグラレコ研修2
クライアントの声
「ただ受講するだけじゃなく、新入社員と一緒に作りあげる研修にしたい」そんな想いのもと、グラグリッドさんにお声を掛け、取り組ませていただきました。
会社のミッション・ビジョンという概念を理解してもらう重要な内容のため、どうやったら伝わるのか、またそれに対する新入社員の疑問や想いをどう引き出すのか、何度も打ち合わせを重ね設計。
グラグリッドさんが得意とするクリエイティブな部分だけでなく、私たちには持ち得ない第三者の視点で俯瞰したアイディアをもらい、新入社員の視点に寄り添そった内容に落とし込むことができました。
研修では、アウトプットとインプットをする中で、ミッションビジョンの理解が磨き上げられ、それぞれの解釈や新しい発見を、齟齬なく共通認識を持つことができ本当に良かったです。
また研修後アンケートでは、言葉が可視化されることによりイメージしやすかったと高い満足度を得られただけでなく、研修内容を見た他のメンバーからぜひ自分も受けてみたいというリクエストが多数あり、全社的にも影響が大きかったのは驚きでした。
研修が終わって終了ではなく、ここからスタート。今回設定した目標が、今後の彼らの指針となるよう日々の対話の中でブラッシュアップし続けていければと思います。
尾形さん、関さん、小野さん、ワクワクする素敵な研修をどうもありがとうございました。
(株式会社プレスマン 落合悠加氏)
グラグリッドメンバーのコメント
プレスマン様の新人教育にかける思いの強さは、初回の打合せから圧倒的なものでした。会社として、新卒社員の方に自分らしい成長を成し遂げてほしい!スタートラインに立つ彼らが目指す先を自ら見つけられるようにしたい!
そんな想いに応えるためのグラフィックの力を活用した研修プログラムに、新卒社員の皆さまだけでなく、プレスマン代表の関口様、人事担当の落合様、プロジェクトマネージャーの皆さまが、積極的に、そして柔軟な思考で取り組まれていたことが印象的でした。
研修の終わりに、新卒社員の皆さまが目指す姿を宣言されたときは、会社全体としても次のステージに進む一歩になった瞬間でした。まさに新卒社員の皆さまの成長が、会社全体の成長につながる共進化が起きている状態だと感じました。
高速開発プラットフォーム「WP10」で世界を変えるプレスマン様のさらなる進化が楽しみです。
(尾形慎哉)