サントリーグループの「人と自然と響きあう」という理念を実現するために、活動の全体像を整理し、価値を明らかにする!

  • ビジョン創出
  • ビジョン浸透
  • ファシリテーション

サントリーシステムテクノロジー(SST)の先端技術部は、これまでの活動とこれからのビジョンを整理し、価値を明らかにするプロジェクトをグラグリッドとともに実践しました。
グラグリッドは、このプロジェクトで、社員参加型の先端技術部が持っている価値を明らかにするワークショップのファシリテーションと、未来の社会像を描き出すビジョンドローイングを担当しました。

課題

・先端技術部の活動が多岐にわたっていたので、全体像を整理し、価値を明らかにしたい
・将来にわたりサントリーグループ各社のビジネスをITで支える役割を果たすために、サントリーグループ各社や外部パートナー企業に自社の可能性や取り組みを伝えたい
・社内外の誰もが共感できる分かりやすい、親しみやすい形で表現したい

共創と取り組み

・ビジョンドローイングによって、創造したい未来像を描き出す
・ワークショップによって多岐にわたる活動の棚卸しを行い、根本的な価値を表出化する
・未来像を描き出すだけで終わらせず、未来像の読み解きも実施することで、社内外への浸透・自分ごと化のきっかけをつくる

価値化したこと

・納得感を持って自分たちの活動の社会的価値を明確にすることができた
・自分たちの魅力やユニークポイントが語りやすくなった
・これからやっていきたい活動を語り合う土台ができた

課題&実現したいこと

先端技術部の全体像を整理して、組織の価値を明らかにしたい!

サントリーグループ各社のビジネスをITで支えているSSTの先端技術部は、かねてからサントリーグループ各社や外部パートナー企業とのパートナーシップをこれまで以上に深め、世の中にさらなる価値を提供していきたいと考えていました。

価値を生み出すための取り組みとして、サントリーグループが掲げている「人と自然と響きあう」という理念を実現するためのアイデアや研究が、社内には数多く蓄積されています。一方でアイデアや研究が多岐にわたるため、自部署に何ができるのかが見えづらくなっており、社員それぞれの捉え方も異なっている状況が見られました。

そのような状況の中で、「絵を活用した思考法なら課題を解決できるのではないか」とご相談をいただいたことが、このプロジェクトのきっかけとなりました。

グラグリッドは、先端技術部のメンバーがオープンに自身の想いを語るのが先決と考え、語り合える場をつくり、そこで得られたことから先端技術部のメンバーとともに価値を解き明かし、未来図を描き出し、1枚の未来図として集約、さらには未来図の読み解きまで含めたプロセスを考案しました。
最終的にはSSTの社員・サントリーグループ各社・外部パートナー企業の方、それぞれが発展的に関わっていける土壌づくりを目指したのです。

共創と取り組み

3つのステップ
「ステップ1:ビジョンイメージの表出化→ステップ2:グラフィック制作→ステップ3:ビジョンの読み解き」で、ビジョンを明らかにし、共有を図る。

ビジョンドローイングのメリットは、個々の異なる想いや理想をありのままにあぶり出し、ギャップも含めて受け止め合いながら、進むべき未来を探索していくプロセスを、可視化によってつくりだせることにあります。
グラグリッドはビジョンドローイングにおいて、先端技術部の皆さんが納得感を持って、自発的に参加できるようにファシリテーションでプロジェクトをリードしました。

プロジェクトは、「ステップ1:ビジョンイメージの表出化→ステップ2:グラフィック制作→ステップ3:未来図の読み解き」という3つのステップで実施しました。
ステップ1、2は先端技術部のメンバーが参加、ステップ3では先端技術部のメンバーに加え、外部パートナー企業の方にも参加いただき実施しました。

ステップ1:イメージの表出化

SSTの先端技術部が実現したいライフスタイルや社会の⾵景を具体的なイメージとして表出するため、先端技術部のメンバーと先端技術部のあり方について、多面的にあぶり出していきました。
Day1・Day2・Day3の各ワークショップを実施し、それぞれにおいてグラグリッドは先端技術部の皆さんが語られた内容をリアルタイムで描き出していきました。

【Day1】
いまどのようなことを考えているのか、先端技術部内で蓄積されているアイデアや研究について、部のメンバーから語っていただきました。語られた内容をもとに、先端技術部の価値はどういったところにあるのか、サントリーグループのビジョンとどのように関係していくのか、どのようなチームになりたいのか、戦略としてどういったことができるのかといった、さまざまな視点で先端技術部のあり方を探っていきました。

【Day2】
Day1から引き続いて、先端技術部のミッション、先端技術部の役割と社会への貢献、実現した未来像などを先端技術部の皆さんと描き出していきました。

【Day3】
ビジョンを描く世界観の土台づくりとして、それぞれが考える理想の先端技術部の姿を何かに捉えてみるワークショップを実施しました。

ステップ2:グラフィック制作

【Day4】
Day1~Day3であぶり出された内容をもとに、先端技術部の取り組みや価値をグラグリッドで構造化し、グラフィックパーツの配置の検討なども含めたイメージスケッチを行いました。
イメージスケッチは、モデル図のような概念化がなされているA案と、海や港をメタファーに具体的な世界観を描き出したB案の2案を提示しました。
結果としてB案が採用され、精緻なグラフィックを制作しました。

▼モデル図のような概念化がなされているA案(左)、海や港をメタファーに具体的な世界観を描き出したB案(右)

▼B案を元に精緻化したグラフィック

ステップ3:ビジョンの読み解き

【Day5】
グラフィックとして描かれたビジョンを社内外に浸透させていくためには、まずは先端技術部の皆さんが、納得感を持ってビジョンを理解する必要があります。そこでステップ3でビジョンを読み解くワークショップを実施しました。
このワークショップでは先端技術部のメンバーに加え、ステークホルダーの方々にも参加いただきました。

「今、自分はどこにいる?」「これから自分はどこに行って何をしたい?」「こんな世界が実現できたら社会はどう変わる?」といった問いに答えていくことで、読み解きを深め、それぞれの考えを共有していきました。

▼グループで読み解き、考えを共有した様子

価値化したこと

ビジョンドローイングによって、先端技術部の皆さんが納得のいく形で先端技術部の取り組みや可能性を明らかにすることができました。
未来図を活用すれば、先端技術部のメンバーそれぞれが、サントリーグループ各社や外部パートナー企業の方々、先端技術部と協業したい/面白い取り組みにアンテナを張っているエンジニアなどに対して、自社の魅力を語りやすくなります。

また、未来図は先端技術部の皆さんが業務を行う上での指針にもなります。
業務で何かしらの迷いが生じた際には、未来図と照らし合わせて、進むべき道を選び取ることができます。

先端技術部の事業活動を楽しく、ユニークなものとして伝えられる点も、今回のビジョンドローイングのポイントです。例えば採用活動で求職者に未来図を見せることで、先端技術部への共感をもたらし、入社のモチベーションを高められます。

クライアントの声

我々のチームでは「自分たちが実現したい世界」について意見やアイデアを出す、という機会を設け、グラグリッド様にご協力いただきました。
全体を通して、若手が出した意見やアイデアがダイレクトにチームの目標として示される流れを、まさに目の当たりにすることができたのは良い経験でした。サントリーの「やってみなはれ」の精神を実感する良い機会にもなったと感じています。
はじめグラグリッド様には、数回にわけてじっくりとヒアリングを実施いただきました。ヒアリングしながらリアルタイムに絵としてアウトプットいただけることで、文字や言葉で理解するよりも直観的に捉えることができました。他のメンバーのアイデアも理解しやすくなり、お互いに活発なアイデア出しができたと思っています。
また、グラグリッド様から「我々が目指す世界」を一望できるグラフィックをいただいたとき、本当にわくわくしました。目標とする世界を強く意識するとともに、自分はこの中で何ができるかを改めて考えるきっかけになりました。また、自分の担当領域以外も意識しやすくなったことで、仲間との連帯感もさらに醸成されたように感じています。

(サントリーシステムテクノロジー株式会社 中川様)

グラグリッドメンバーのコメント

ビジョンを描き出すプロジェクトは、一般的には、経営層が決めたビジョンを事業戦略に落とし込んでいくような、トップダウン型のものが多いのですが、SSTの先端技術部はまさに逆!
現場に溢れている、たくさんの「やってみたいこと」「つくってみたい社会」を一つの未来像へ統合していく、という進め方になりました。

これは、SSTの先端技術部の現場にたくさんのアイデアが溢れていたことに加え、サントリーグループに強烈なビジョンがあったからできたことだと思います。

実際、SSTの先端技術部の中には、たくさんのサービスアイデアや生活スタイルを変えていくシステムのアイデア、地球規模で社会に貢献していくアイデアなどがあり、共有するのに時間が足りなかったほどです。

話をうかがっていくにつれ、私たちも一緒になって未来にワクワクしながら、ユニークな未来像が生まれていきました。

この貴重な機会にお声がけいただき、本当に感謝しております。
(三澤)